2015年07月14日

『FAPS試聴室』突撃リポート第2弾〜「底面開口型DD-BH」vs「サイドプレス」(笑)

FAPSさんには昨年末にお邪魔して以来、今度が2度目の訪問になります。
サイドプレスが底面開口型BHの能力をどのように引き出してくれるかワクワクで乗り込みました(笑)
FAPS-05.jpg

バックロードホーンの低音というのは独特で、エネルギー感はバスレフ、密閉等の他方式とは一線を画します。
今回持ち込んだDDBH-10WH-Uはダンプダクトの追加で低域が強化されたモデルでして、構造的に真下に低音が放出されるので、天板レスのサイドプレスは理想的なスタンドになります。
ただ底板が結構振動するので『サイドプレスが上手く受け止めてくれるか?』ということが最大のチェックポイントになります。

好きな音源、良く聴く音源をCDにして持ち込みました。
高音質では無いですがそれぞれチェックポイントはあります。
kyokumei-image.jpg
一部、説明しますと、、、
3.クラシックとジャズの中間的な音作り。ピアノとベースの間合いをチェック。
4.今風のモーレツ録音で破綻寸前な音を押し止められるか?
5.トロリとした音像と霞が掛かった音場を再現できるか?
12.20Hzまで伸びたドロ〜ンな低域をスッキリさせられるか?
13.リスナーの左右&後方の音像定位
といったところです。

結果的に低域の再生は全く問題無しで、バックロードホーンとの相性はバッチリです。
ソースとの相性は「概ね良好」で、やはり相性の悪い音源はあります。

これはサイドプレスが「デジタル的な音質(音像、音場を含む)」をなので荒れた録音、汚い録音、歪んだ録音など悪条件な音源を良く聴かせるタイプではないということです。
「デジタル的な音」といっても意味不明なので、分かりやすいと思われる「音像の輪郭」の特徴を画にして見ました。
音の輪郭.jpg
といった感じになりますが、基本的にはワンポイント録音やモノマイク3本録音等のシンプル録音との相性は最高です。
おそらく殆どの真空管アンプとの相性も良い感じになるでしょうね。(=メリットを伸ばせる組み合わせ)
FAPSさんオススメのインバル/マーラー5番は私も大好きな音源でワンポイント録音ですが、これはもう最高でした。
他にもテラークやエベレスト等の3本マイク録音も良い感じで鳴っていました。

ところで、スピーカー自作派の方々の認識では、、、
スピーカースタンドは『高剛性、重量級=高音質』という方がほとんどなので、一度サイドプレスを聴いて欲しいもんです。
大袈裟ですが『バスレフがバックロードのように鳴ります』と言っておきます(笑)
「百聞は一聴にしかず」というじゃ〜あ〜りませんか!!!


※FAPSさんにお願いして数曲録音させていただきました。
ちょっとした手違いで高音域が弱く録音されてしまったので、1kHz以上を3dB/octくらい脳内補完してお聴きください♪


■FAPSさんの「試聴記事」です
http://www.family-arts.com/sidep_report/spcjpnorg/backload-system-report.htm
posted by masamasa at 22:44| イベント(試聴会、オフ会等)

2014年12月23日

新型サイドプレス[Side Press Air]〜『ファミリーアーツ[FAPS]試聴室』突撃リポート

12月11日、高音質スピーカースタンドのファミリーアーツさんから新型スタンドが発売されました。
ということで、自作SPと自作スタンド持ち込みで突撃してきました。
限られた時間での試聴になるので、音源を30分弱に纏め、コレを中心に試聴ということになります。

試聴のポイントは、、、
@8cmイッパツのナローレンジ(100Hz〜16kHz)を如何にワイドに聴かせられるか?
A8cmフルレンジで箱庭的にならないスケール感、ダイナミック感を出せるか?
この2つを重点的に検証していきます。

さて、新型のサイドプレス・エアーですが、従来品より細いパイプを使い軽量化されたとのこと。
さっそく、ファミリーアーツさん所有の「ピュアモルト・ミニスピーカーS-A4SPT-VP」(下写真/赤ネットのSP)と「PMC TB2i」(両サイドのSP)を聴かせていただきました。

DSC_7782.JPG

PMCは想定内の出音、ピュアモルトはサイズからは想像できないほどの鳴りっぷりです。
「いや〜これはイイですね〜」

持参した音源を一通り聴いて、、、

次はいよいよ、自作スピーカーと自作スタンドの登場です(笑)

SidePress-FAPS-01.jpg

さ〜緊張の第一音!!!

「な、、、なんじゃこりゃ〜!!!」
音がデロデロ、ボコボコ〜(滝汗)
これにはファミリーアーツさんもビックリしたことでしょう。

、、、と、、、これは想定内といいますか「予想通り」だったわけで、、、
実はですね、FAPS試聴室の床(フローリング+絨毯)に合わせて「専用インシュレーター」を作っていったわけなのです(爆死)

insulator-05.jpg

さっそく専用インシュレーターを持ち出してセッティング。
「ぉお〜なかなか良い感じじゃ〜ないですか」(心の声)
もう少しタイト寄りのチューニングが良かったかもしれませんが、コレはコレで良い感じです(笑)
ところが、右チャンネルから原因不明の「ビビリ音」が発生(ヤバイ)
とりあえず、ソースによっては気にならないのでそのまま試聴を続けます(をぃ)
さすがに良いシステムをお使いなのでレンジ感、ダイナミック感も結構あって、もう少し余裕感が欲しい感じですが8cmとしては及第点でしょう。

この時点で、私は全く気にならなかったんですがファミリーアーツさんは「バックロード特有のホーン鳴き」が気になっていたようで、箱に触ったり開口部からの出音をチェックしたり大忙しでした;;;
この「ホーン鳴き」が気になる方々はバックロードに否定的ですが、これは仕方ないことで「否定派」と「肯定派」の溝が埋まることはないと思います。
長時間聴いていると慣れてきたりしますが、ファミリーアーツさんは如何でしたでしょうかね〜(笑)

さて、次はいよいよサイドプレス・エアと自作スピーカーでの音出しです。
エアーのパイプ部は手で叩いてみると「カャァァ〜ン」と甲高く盛大に鳴きます。
ちなみに一番ガッチリしたスタンド(モデル名忘れました)を叩くと「コォ〜〜〜ン」と鳴きます。

「をぃをぃ、、、大丈夫か〜???」と思いつつ音が出た瞬間、、、

目の前に「パァーッ」とクリアな音場が開けました。
まさに一瞬にして霧が晴れた状態です、、、ぉぉイイですね〜♪
気になっていた「金属音」は全く聴こえることはありません。きわめて鮮度の高い音が綺麗に分離します。
まさに「高解像度、総天然色」、サイドプレスはバックロードとの相性も良いようです。
私には、音自体はそれほど違って聴こえなかったのですが、ファミリーアーツさんは「別な楽器が鳴っているようだ」と感じたそうです。
ぅ〜ん、、、さすがに現役の演奏家さんなので、、、私のような「駄耳」とは違った音を聴いているのかと感心しきり(^^)

持参CDを一通り聴いてから、、、

2台を切り替えながらモノラル音源を聴いてみました。
SidePress-FAPS-02.jpg

「ぅう〜ん」
「ふぅ〜む」
「ほえぇ〜」(心の声三連発)

いや〜参りました。ソースによって「アッチが好み」だったり「コッチが好み」だったり。
それぞれに良い部分があるので甲乙が付けられません。
最終的には好みの問題になると思うので、、、
ファミリーアーツさんなら「サイドプレス」を選ぶだろうし、、、
私なら「自作スタンド」を選ぶと思います。

ただ、サイドプレスは音質の調整幅がカナ〜リ広い感じなので、、、
インシュレーターを工夫したり、最適なフローティング・マスを付加する(サイドプレスさんは否定的ですが、、、笑)ことで、、、
多くのリスナー、多くのスピーカーに対応できると思います。

とにかく今まで聴いたメーカー製スタンドでは『トータル性能でトップクラス』、適応力、発展性は『間違いなくNO.1』です。
ファミリーアーツさん曰く『勝敗はなくて引き分けでもなくて、お互いの素晴らしさを認め合ったという感じでした。』
『汚れを知らない瑞々しくて美しい乙女(サイドプレスエアー)とちょっと化粧は濃いけど豊満で魅力的な女性(自作スタンド)』と言うことです(笑)
イメージ的には「デジタル的なサイドプレス、アナログ的な自作スタンド」といった感じです。

、、、と言っても信じられないと思いますが、実際に聴いてみれば納得できると思います。
使用中のスピーカー、スタンドを持ち込んでの試聴もOKなので、小型スピーカーを思いっきり鳴らしてみたい方には「サイドプレス」を聴いてみることをオススメします。

尚、社長さんは現役演奏家で「YouTube」での姿を見ると難そうなイメージですが、実際にお会いしてみると『ぽっちゃりした気さくなオジサン』です(笑)
試聴についての問い合わせ、スタンドについての相談も「お気軽にどうぞ」ということです。
試聴の際は、『日立の山奥の湧き水』で淹れた美味しいコーヒーや『素敵な奥様』の手作りケーキをご馳走になれるかもしれません。お楽しみに(笑)

とにもかくにも、このスタンドはオススメです、、、要試聴!!!
posted by masamasa at 16:52| イベント(試聴会、オフ会等)

2014年10月03日

ジャズルーム『コルテス(Cortez)』突撃レポート〜フルレンジの良さを兼ね備えたマルチウェイシステム〜

昨年末(2013-12)、水戸市にオープンした「ジャズルーム・コルテス(CORTEZ)」さんへ突撃してみました(笑)

cortes-01.jpg
店内に入って左手にスピーカー、アンプ等のオーディオ機器、右手は前後2列のテーブル席になります。

cortes-04.jpg
入り口対面のカウンター席奥にアナログプレーヤー等とレコード棚があるようです。
部屋の広さは目測で約35畳ほどか?(最近目測がよくハズレますが、、、笑)
不定期にミニライブが開催されるとのことですが、生演奏には「ちょっと狭いかな?」という感じですね。


まずは簡単に使用機器の紹介

cortes-02.jpg
・スピーカー/JBL 4350(アーリーモデル)
・パワーアンプ(中高域用)/マークレビンソン No436L × 2(ミッドバス、ミッド、ハイ間はネットワーク使用)
・パワーアンプ(低域用)/マークレビンソン No334L
・チャンネルデバイダー/ケンリックサウンド(Special Ver)
・プリアンプ/マークレビンソン LNP-2L
・CDプレーヤー/マークレビンソン No512
・ターンテープル/リン LP12
・フォノイコライザー/リン LINTO
・カートリッジ/Aテクニカ AT33PTG

cortes-03.jpg
スピーカーはケンリックのセッティングベース、TAOCのスタンドに載せられていますが、もうチョイ高さが欲しいか?
アンプ類もケンリック製ラックに収められていますが、重量級アンプを収めるには貫禄&強度不足の感もあります。


さて、肝心の「音」ですが、、、

なんといってもJBL4350の真っ白な38cm2発が印象的です。
とにかくハイスピードな軽い低音がスムーズに体を通り抜けていきます(驚)
こりゃフルレンジ好きにはたまりません。
が、ゴリゴリ押してくる重い低音が好きな方にはチョイ物足りないかもしれません。

スピーカーで特徴的なのが、チェンネルデバイダーとネットワークを使ったモノ2+ステレオのハイブリッド駆動。
良くも悪くもこのスタイルが全体を支配しているようですが、ここいらは私には未体験ゾーンでして、よくわかりません。

マークレビンソンのアンプ、リンのアナログプレーヤー等は透明感が高く繊細な美音系。

カートリッジは何故かAT33PTG(爆)
「さっぱり風味で線が細い」印象があるカートリッジですが、バランス的にはナイスな選択なんでしょう。

トータルでは大変高品位な出音(正統派のハイクオリティサウンド)で、JBLに有りがちな「ゴリゴリドスン、シャキーンなドンシャリ傾向」は皆無。
非常に滑らかなバランスで、クラシックの再生にも十分対応できると思われます。
『もう一度聴いてみたい』と思わせる最高峰マルチウェイシステムの一つでしょう!!!


最後に気になった点を2つ。

cortes-05.jpg
まず、リスナー側の天井が低いことが1つ。
一般住宅との比較では十分な高さがありますが、スピーカー側と比べて60cmくらい低いでしょうか?
個人的な経験から「リスナー側を広く高く」と思っているので、配置を逆にしたらどうなるのか気になるところです。
もっとも、システム導入段階で試されて、今の配置が決まったんでしょうけど〜;;;

もうひとつは、スピーカー裏の壁です。
この石風壁材は「軽量モルタルに着色したタイプ」と思われますが、けっこう音を吸っているように感じました。

『音離れがもう一歩で、高さが出ない。音が飛びが悪い。』と感じたのは、リスナー側天井とスピーカー背後の壁の影響があるかもしれません。
一度フルレンジ一発で聴いてみたくなりました。何か発見があるかもしれませんが如何でしょうかね〜?

ということで、、、

久しぶりに『素敵なアナログの音』を聴かせていただき幸せな気持ちになれました。
とにかく「一聴の価値があるシステム」です。
posted by masamasa at 21:36| イベント(試聴会、オフ会等)