2015年02月25日

インシュレーター、オーディオボード、マス(錘、スタビライザー)の基礎知識[マトメ]

インシュレーター、オーディオボード、マス(錘、スタビライザー)の基本的考え方
※基本的にアクセサリーは「必要悪」なので、使用は最小限に(笑)


■アクセサリーでの制振効果[制振=振動制御の総称]

抑振(よくしん)
オーディオ機器の振動発生時に「発生自体」を重量等で抑える事。
オーディオ機器自体を重くして抑振効果を高めたり、機器の下に敷く重量級ベース、上に乗せるオモリ(マス)等は抑振効果の高い材質の物が多く使われる。

断振(だんしん)
発生した振動を物理的に遮断する事。物理的絶縁。
振動を逃がさないので、発生源自体の自然減衰に頼るしかなく振動が長く残る。
耐震ゲル、無反発ゴム等は断振効果が高い。

逃振(とうしん)
発生源の振動を抑えることなく、効果的に逃がす事。
逃振目的には、軽くて振動しやすい材質、硬くて比重が小さい材質が適しているが、強度との兼ね合いが難しい。
逆に重いもの(比重が大きい)は逃振効果は低めになる。

吸振(きゅうしん)
発生した振動を吸収して減衰させる事。
耐震ゲル、防振ゴム等は変形することで衝撃、超低周波を吸収するが、オーディオ的に耳に付く帯域の振動吸収能力は皆無に近いので注意が必要。


■インシュレーター、オーディオボードのタイプ別特徴

リジッド(ハード)タイプ
不要振動を逃がす放出、逃振系。
主な素材は金属系、木質系、石材系など。
硬いものほど共振周波数が高い傾向があり、効果もそれぞれ違ってくる。
インシュレーター自身も振動するので素材固有の音が乗りやすい。
重いものほどは抑振効果が高くなるが、逃振効果は落ちる。

フローティング(ソフト)タイプ
粘質素材を使って不要振動を伝えにくくする遮断系。
逃がしも吸収もしないので、発生源の不要振動が多く残り一長一短。
主な素材は、耐震ゲル、無反発ゴム等

セミ・フローティング(ハイブリッド)タイプ
不要振動を吸収しつつ逃がすハイブリ系。
「ハード素材+ソフト素材」のハイブリ構造や、バネ系構造などがある。
使用機器、設置部材質に合わせた構造が理想的。


■制振能力タイプによる組み合わせ

材質や構造等による基本性能のメリット、デメリットを理解して、効果的に組み合わせるとワンランク上の制振効果が期待できます。
ただし、使用機器との相性が出てくるので『こうすれば、こうなる』といった定石は当てになりません。

■インシュレーター、ボード等の組み合わせ効果の例
posted by masamasa at 22:10| ローエンドオーディオの『コツ』