2017年01月31日

物理思考のエコスピーカー(エコスピ)〜エコノミック仕様・可変ダクト型16cmバックロードホーン「DDBH-T16F-ECO-AD」

スピーカー作りにおいて基本的な考え方の違いで『物理思考』と『電気思考』に分けられます。
具体的には、周波数特性をフラットにするのに「エンクロージャーで工夫」(=物理思考)するか、「電気的に補正」(=電気思考)するかといった方法の違いがあります。
例えば、「PST回路」「バッフルステップ回路」などは電気思考の産物になりますね。
それぞれに一長一短ありますが、エコの観点からすると物理思考のほうが有利だと思います。
物理的な工夫はエネルギー効率を上げることが可能ですが、電気的な補正では基本的にエネルギー効率が上がることはありません。

ってことで、、、、

エコスピーカー設計のツボは、、、

@能率の高いユニットを使う
A効率の良いエンクロージャー方式を採用する(フロントホーン、共鳴管、BH、、、等)
Bユニット背面の音圧を有効利用する(負圧を少なくする、吸音材を使わない、、、等)
Cエネルギー効率を下げるパーツを使わない(コネクター、抵抗、コンデンサ、、、等)


といったところです。

16cm未満の小口径・高能率なユニットというと選択肢が少なくなります。
20cmクラスだと能率は高いですがボックスサイズが大きく、コストも掛かります。
16cmクラスだと能率94〜95dB/W.mくらいのユニットがボチボチあります。
1本1諭吉以下のユニットを使って15mmラワン合板(三六板)1枚で作れば、2台で3諭吉以下に納まりそうです。

■DDBH-T16F-ECO-AD【設計図】
DDBH-T16F-ECO-AD-01.jpg
方式:DDBH(可変ダクト型)
サイズ:W.250xH.900xD.370(mm)
空気室容積:5.5L
スロート面積:114.4cu
ホーン開口面積:660cu
ホーン長:184cm
ダクト面積:132〜264cu
ダクト長:12cm
推奨ユニット(能率94dB/w.m以上)
・Audio Nirvana Classic 6.5" Ferrite Cast Frame
・Audio Nirvana Super 6.5" Ferrite Cast Frame
・DAYTON AUDIO PS-180-8
・EMS LB7
・FOSTEX FE166En
・FOSTEX FE168EΣ


■DDBH-T16F-ECO-AD【板取り図】15mm合板(三六板x1枚=1台分)
DDBH-T16F-ECO-AD-02.jpg
【要注意】
パーツMNの横幅は0.3ミリ小さい219.7mmになります。
正確にカット出来ない場合は、同寸法(220mm)に切り出し、紙ヤスリ等で修正します。


■DDBH-T16F-ECO-AD【ホーンイメージ図】
DDBH-T16F-ECO-AD-03.jpg
posted by masamasa at 16:42| エコノミック・ピュアオーディオ

2017年01月26日

長岡式スパイラルバックロード「エスカルゴ(アンモナイト)」と「DDW-100-AD」のホーンイメージ比較

ネタがないので「自作の神様」頼りです(笑)

壁掛け式という訳ではないんですが、奥行きの浅いバックロードホーンというと長岡式スパイラルBHが思い浮かびます。
「全図面集1」にはD-103、D-104
「全図面集2」にはD-111、D-112、D-113が掲載されています。
掲載されてはいませんが「DDW-100-AD」に近いサイズというとD-111の縮小版のD-110があります。

そこで、D-111「エスカルゴM」とD-110「エスカルゴS」と「DDW-100-AD」「DDBH-10F(入門用DDBH)」のホーンを比較してみます。

■D-111、D-110の内部構造
D-111_and_D-110_HornImage-01.jpg

■D-111、D-110、DDW-100-AD、DDBH-10Fのホーンイメージ比較
D-111_and_D-110_HornImage-02.jpg
長岡式のスパイラルバックロード全般の傾向ですが、広がり率が小さく、ホーン長は長いようです。
バックロード設計の特徴は「設計者の音の好みが多く反映される」ことが多いのですが、「小さい広がり率、長いホーン」から出る音が長岡鉄男氏の好みなのでしょう。
またDDW-100-ADとDDBH-10Fはカナリ似た感じのホーンイメージになるので、近い感じの出音になると予想されます。
どちらも10cmとしては必要十分な低音が出そうです(笑)
posted by masamasa at 20:07| ネタ切れ時の「ネタ」(笑)

2017年01月22日

壁掛けタイプ・可変ダクト型10cmバックロードホーン「DDW-100-AD」

奥行きサイズの小さい壁掛けタイプの作例は少なく、ダンプダクト方式の壁掛けタイプは実験用以外では初めてになります。
壁掛けってことで低音の逃げは少なくなりますので、ソコソコの低音は見込めると思います(笑)

■壁掛けタイプ・可変ダクト型バックロードホーン「DDW-100-AD」【設計図】
DDW-100-AD-01.jpg
方式:DDBH(可変ダクト型)
サイズ:W.450xH.450xD.155(mm)
空気室容積:2.1L
スロート面積:43.75cu
ホーン開口面積:196.25cu
ホーン長:158cm
ダクト面積:37.5〜93.75cu
ダクト長:10cm

■壁掛けタイプ・可変ダクト型バックロードホーン「DDW-100-AD」【板取り図】
15mm合板(三六板x1枚=2台分)
DDW-100-AD-02.jpg
【要注意】
パーツMNの横幅は0.3ミリ小さい134.7mmになります。
正確にカット出来ない場合は、同寸法(160mm)に切り出し、紙ヤスリ等で修正します。
posted by masamasa at 15:40| 自作スピーカー

2017年01月15日

バックロードホーンの歴史と進化【2017年版】

【バックロードホーンの歴史と進化/2017年版】
backload-history-2017-YT.jpg

■正常進化系

標準型バックロードホーン(1950年代?)

ダンプド・バックロードホーン(1970年代)

ダンプダクト・バックロードホーン(1980年代)

■派生進化系(1)

標準型バックロードホーン(1950年代?)

バックロードバスレフ(2000年代?) ← ダブルバスレフの要素を付加

■派生進化系(2)

標準型バックロードホーン(1950年代?)

ツインロードホーン(1990年代)-テクニクスSST-1

スタガード・トリプルバックロードホーン(2000年代)-ホーンの多数化

■派生進化系(3)

ツインロードホーン(1990年代)-テクニクスSST-1

スタガー・ダンプダクト・バックロードホーン(2010年代)-ツインホーン+ダンプダクト

※参考リンク※
●バックロードホーンの歴史と進化【2015年版】

●石田式BHBS(バックロードバスレフ)
BHBS=[Back-loaded Horn plus Bass-reflex System]

●MCAP-CR 多自由度バスレフ
MCAP=[Multiple-Chamber Alligned in Parallel]

●ZWBR方式ダブルバスレフ
ZWBR=[Z-type W(double) Bass Reflex]


ついでに、、、

【AS・DDBH方式サブウーファー設計のツボ/2017年版】
ASDDBH-woofer-image-2017.jpg

【参考資料】
■10cmフルレンジを使ったAS・DDBHサブウーファーの開口部の周波数特性
AS-DDBH-F-response.jpg
振動板の軽いフルレンジスピーカーは超低音域(重低音以下)の再生が苦手です。
ですが、ASとDDBHを組み合わせることで、10cmフルレンジで25Hz、14〜15cmフルレンジで20Hz、20cmフルレンジで15Hzの超低域再生が可能になります。

■同じ10cmフルレンジをメインとサブウーファーに使った際の総合特性
woofer+main-response.jpg
posted by masamasa at 12:00| 自作スピーカー

2017年01月09日

「バックロード開口部にダクトを追加する方法(DDBH)」は1980年代から使われていますよ(笑)

「DDBH」って何?、、、ってことで、、、
DDBHの概要です。
DDBH-tips-2017.jpg

スピーカーを自作している(していた)方々でもDDBH方式を知らない方が多いようです。

バックロードホーン

ダンプド・バックロード

ダンプダクト・バックロード(DDBH)


と言う流れは極自然なもので、DDBH方式としては1980年代に存在してました。

ただ、長岡鉄男氏をはじめDDBH否定派の方々も多くいらっしゃるようなので、一般に普及することはないと思います(笑)

【参考資料】
「長岡鉄男氏、DDBHを否定する」の図(月刊ステレオ1989年工作号、Q&Aコーナーより)
※画像提供:やまもとK氏※
DDBH-vs-Tetsuo-Nagaoka.jpg
図bのユニットの下側が正にDDBH構造になります。
posted by masamasa at 11:14| 自作スピーカー

2017年01月08日

実質9cmクラスの「Fostex FE88-Sol」〜税込み6Kなら即買いなんだけど・・・ローエンドオーディオには高杉晋作(笑)

基本的に「限定生産ユニット」を使うことはないんですが、振動板面積36.85cuで実質9cm口径のFE88-Solは非常に気になります。
ですが、流石に1本で税別1.2諭吉では手が出ません;;;
FOSTEX_FE88-Sol-03.jpg

■FE88-Sol用、可変ダクト型バックロードホーン「DDBH-88sol-AD」【設計図】
DDBH-88sol-AD-01-FOSTEX_FE88-Sol.jpg
方式:DDBH(可変ダクトタイプ)
サイズ:W.190xH.450xD.320(mm)
空気室容積:1.45L
スロート面積:33.6cu
ホーン開口面積:195.2cu
ホーン長:154cm
ダクト面積:32〜80cu
ダクト長:9.6cm

■FE88-Sol用、可変ダクト型バックロードホーン「DDBH-88sol-AD」【設計図】
DDBH-88sol-AD-02-FOSTEX-FE88-Sol.jpg
【要注意】
パーツMNの横幅は0.3ミリ小さい159.7mmになります。
正確にカット出来ない場合は、同寸法(160mm)に切り出し、紙ヤスリ等で修正します。
posted by masamasa at 20:06| 自作スピーカー