音楽収録は何を重視するかで「音像(おんぞう)録音」と「音場(おんじょう)録音」に分けられます。
それぞれの特徴を簡単に挙げると、、、
「音像録音」
・各楽器毎にマイクを近接配置したマルチマイク録音が主流
・マルチトラックで録音後の編集が楽
・個々の楽器の音色重視
・近くで録ることで微妙な表現やニュアンスが再現しやすくなる
・残響は加工するか、補助マイクを使用
・ジャズ、ロック、ポップス系は、ほぼ音像録音
「音場録音」
・少ないマイク(2〜4本)を適度な距離に置き、直接音と間接音をバランス良く録音
・録音後の修正が難しい
・個々の楽器よりハーモニー(含、残響)を重視
・方式上、細かい音の再現、各楽器の定位は甘くなる傾向有り
・録音場所の自然な響きを再現しやすい
・純粋な音場録音はクラシック系の極一部
と、それぞれにメリット、デメリットもあるし、聴き手の好みもありますので「どちらの方法が優れている」といった話ではありません。
要は出来上がったソースが気持ちよく聴ければ良いわけですね。
また、リスナー側も音像重視派と音場重視派に分かれ、音像派リスナーはマルチウェイ愛好者が多く、音場派リスナーはフルレンジ愛好者が多いようです(笑)
■録音サンプル(クラシック編)
@マルチマイク録音(詳細不明)
ベルリオーズ/幻想交響曲-第4楽章
バレンボイム指揮、ベルリン・フィル[SONY SRCR2009]'84年
各楽器が鮮明で、迫力、エネルギー感有り
A3本マイク+補助マイク録音
(ショップス−コレット・マイク3本+補助マイク録音)
ベルリオーズ/幻想交響曲-第4楽章
マゼール指揮、クリーブランド管弦楽団[TELARC CD-80076]'82年
やや鮮度に欠けるが横方向、奥行き方向の広がりは申し分無し
B3本マイク録音(ノイマンU-47真空管マイク×3本使用)
ベルリオーズ/幻想交響曲-第4楽章
グーセンス指揮、ロンドン響[EVEREST EVC9017]'59年
中抜け気味のオケだが鮮度高し、高さが良く出てます
A2本マイク録音(B&K4006×2本使用)
マーラー/交響曲第4番-第1楽章(抜粋)
インバル指揮、フランクフルト・ラジオ響[DENON 33C37-7952]'85年
音の広がり定位が甘く鮮度も低めだが、ハーモニーが非常に綺麗
また、ジャズなどでは音像も音場も平面的な場合が多いですが、中には三次元っぽい音像、音場のソースもあります。
例えば、、、
■録音サンプル(ジャズ編)
アンドレ・プレヴィン/帰ってこれて嬉しいわ('58年)[CONTEMPORARY / OJCCD-691-2]
クラーク・テリー/トップ・アンド・ボトム('90年)[CHESKY JD49]
2016年02月17日
『音像録音』と『音場録音』
posted by masamasa at 20:17| 音楽ソフト